(※画像はすべてクリックで拡大します。) 一応本文を読めないように、かなり古い携帯で撮ったものなので画質は悪いです。
もう2年前のネタ(?)ですね、
一応簡易感想はこのエントリーで書いてます。 その内感想を書こうとは思っていましたが、大学受験が本格的になってすっかり忘れていました。
アクセス履歴とか見てみたら、結構「ライブアライブ 小説」とかでググってきてくれる人が多かったので、
どんな感じだったのか紹介も兼ねてレビューしたいと思います。
表紙はこんな感じです。さすがに出版社的な事情からか、田村由美先生のイラストは一切なしです。
登場人物紹介もキューブ・カトゥー・ダース伍長、そしてベヒーモスのみ。
ヒューイやレイチェル、カークは載っていません。ちなみにヒューイとレイチェルはセリフありで登場してます。カークはヒューイのセリフのみで登場でした。
中身は表紙を入れて14ページ。
多分、
「LIVEALIVE」をプレイしたことが無い人には意味不明の内容 になっているかと思います。
そういうことなので、LALを知らなくて入間人間さんのファンの方にはオススメしにくいかも知れません。
あと、LALファンであっても、
かなり変化球な作品 の為、「合わない」人はいると思います。
その内容とは、
SF編のベヒーモス視点のお話 となってます。
「続きを読む」から少しネタバレしつつの感想です。
・・・と言っても、LALプレイ済みの方には致命的なネタバレという訳でもありませんが。
小説版が発売されると聞いた時、てっきり私は人気の高い中世編のノベライズかと思ってました(笑)。 そしてゲームであったイベントなどを忠実に小説にするもの、もしくは「20年前のルクレチア」が舞台のアナザーエピソードものだろうと予想していましたが、まさかの別視点のストーリーでしたね。 あくまで「ベヒーモス視点」なので、起こるイベント等は変わっていず、ベヒーモスが見たもの・関わったものに限定されて描かれています。 つまり、私を恐怖に叩きのめした「それは・・・気の毒に・・・」などは入っていませんが、伍長を殺人犯だと勘違いしたカトゥーがベヒーモスに襲われかけるイベントは描写されています。 前半は、ベヒちゃんの脱獄とコギトエルゴスム探検。 檻の中で今までいた惑星や、人間に狩られたときのことなどを回想するシーンや、マザーCOMに逃がされた後に船内をうろつくシーンです。 自動ドアやエレベーター、そして新種の生命体であるキューブに驚きつつ平静を装うベヒーモスが何気に可愛いです(笑)。プレイしていた時はあんなに怖かったのに、一人称になるととたんに可愛く思えてしまう罠。 そして中盤から終盤にかけては、ヒューイ・レイチェル襲撃イベントや、カトゥー襲撃イベントなど盛りだくさんです。 この辺りの心理描写が非常に上手だと感じました。 自分がいた惑星とは違った環境に閉じ込められ、そして今まで見てきた生命とはまったく違ったキューブとの幾度かの出会いを経て、ベヒーモスがだんだんと恐怖に囚われていく過程が無理なくしっかりと描かれています。 ベヒーモスがキューブを待ち伏せしていた所などの描写が秀逸です。(以下引用)『あり得ない。奴の目は何処についている?』 『あの位置からではいくら私の身体が大きかろうと死角に入っているはずだ。(中略)私と自分の行動を同時に確認しながら移動していたとしか、考えられない』 この場面を経てベヒちゃんはキューブが「自分より上位なのではないか」と怖れを抱き、そこから狂ったように船内を徘徊します。 この『私と自分の行動を同時に確認しながら移動していた~』というのは、ゲームのプレイヤーはそこにベヒーモスがいることを知っていた・・・という認識でいいのかな。 確かここはプレイヤー視点だと、ベヒーモスの体がちょこっと見える場所だったと思います。 だから、キューブにはメタ的なもう一つの目(プレイヤーの目)があったということでしょう。 それがわからないベヒちゃんはここからかなり混乱してしまうことになります(笑)。 そして終盤にして最大の名場面、伍長との対決シーンに移ります。 ここはゲーム内ではキューブのボス戦の裏で行われていたので、今までとは違ってセリフは完全に入間さんオリジナルのものとなっています。 ここの伍長がカッコよすぎて惚れなおします。SF編のもう1人の主役と言っても過言ではないほどの活躍でした。「人間、やれば結構出来るじゃあないか・・・。 初めからこうしていれば死ななくていい命もあった、か・・・? それは、違うな。あの時の私じゃ無理だった。今の私だから、こうして、生きてられるんだ」 「血の通っていない機械が、戦争で私の仲間を大勢殺した・・・。 けどな、今私は血の通っていない銃で、お前を殺したんだよ。どうなんだ、それは・・・同じなのか? 結局、人の手が加わるから、人間が死んでばかりなわけか・・・馬鹿馬鹿しい、な」 「ふん・・・研究が終わったら、お前を土の下に埋めるようには頼んでやるさ。 なんせ人間の被害を受けたのはこの船だけじゃなく、お前もなんだからな」 伍長本当に素敵だわ。特に最初のセリフで、伍長にとってキューブは本当に大きな存在になったことが理解できて涙が出そうだった。 そしてベヒーモスの最期も少し改変が加えられています。キューブに恐怖を感じてから生きることに必死になっていたベヒーモスは、伍長に撃たれた後は自らも驚くほどに穏やかな気持ちで最期を迎えることになります。 これは伍長と戦った時に、また伍長も「上位の相手」だと認めたことが大きいと思うのですが、この辺の機微は私なんかではここに表現しきれないので省略。 「我思う、故に我あり」などのプレイ済みの方なら「おっ」と思える独白もあります。 最後の最後、ベヒーモスが目を閉じてしまおうかとしたところに、部屋の中心にあるものが彼に向って「鳴いて」意識がふと戻ります。ジョウイントウロク・・・シンキ シュベツ・・・イシュセイメイタイ NAME? この「鳴き声」を、ベヒーモスは「まるで交流を求めているみたい」と評します。 その後。 SF編最後のエンディングムービーと同様、コギトエルゴスム号の報告書が映ります。 ゲームでは、「名前:キューブ」で終わっていましたが、ここでは一つのオリジナル要素があります。 それは、もう一名の新規登録者があったということ。 内容から、システム復旧直後の端末誤作動によるエラーと思われています。 この登録名は、人外生物の音波がノイズとなり認証には失敗しますが、その音源がメインコンピューターに登録されていた生命体のデータに一致し、臨時処理として端末はその生物を新規登録したのです。種別、異種生命体。 登録名、ベヒーモス。 この原作EDを完全に押さえて対にした終わり方は素直に好きですし、そして端末が正常に戻ったことで、「キューブとマザーCOMの決着がついた」ということがよく分かりました。 また、ベヒーモスが「交流を求めている」と感じ、鳴き声を返したところが非常に素敵だと思いました。 SF編は人と人の猜疑心が浮き彫りとなってくるシナリオで、マザーの行動理由も「調和を乱す人間を排除」ということで、人との交流が一つのテーマになっていたからだと思うからです。 私はこの14ページのためだけに1000円支払いましたが、まったく後悔しない出来でした。 とても素晴らしいスピンオフものになっていたと思います。 ・・・でも、上の方に書いたとおり、人によってはちょっと「合わない」ことがあると思います。 ベヒーモスが、――特に精神が壊れてきた後半あたりに顕著ですが――、いろいろと「壊れて」まして(笑)。私も、はーいろ! 口を割き壁を砕き、こんにちは! 振り向かれた気づかれた!だから、気にしないんだよ! かぶりつく。牙を突き立てる突き立てるツッキタテル♪ (原文ママ) えーと、こういう描写は全体のほんの一部で(笑)、他はクールなベヒーモスでいっぱいなんですが、どうしてもイメージを壊したくない人はご注意くださいませ。 個人的には、私はこのベヒーモスには非常に萌えました(笑)。べひもす可愛いよべひもす。 あと、中盤でのカトゥーにベヒーモスが襲いかかるシーンが見所ありました。 ゲームではどうとでもとれる描写でしたが、この小説版では完全に「キューブがカトゥーを庇った」ことになっています。 キューブとカトゥーの親子のような関係がとても好きなのでここの描写は燃えて萌えました。 入間さん本当にありがとう。このシーンが見られただけで悔いはないです(笑)。
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