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西澤保彦「七回死んだ男」感想

2009年07月13日 20:48

(文庫版よりあらすじ)
同一人物が連続死!恐るべき殺人の環
殺されるたび甦り、また殺される祖父を救おうと謎に挑む少年探偵

どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎(ふちがみれいじろう)老人――。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは!時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。



素晴らしい。
SF要素を含んだミステリーは本書が初めてでしたが、それでもこの作品が傑作ということは十分に理解できました。



ある1日を9回繰り返すことができる主人公、久太郎。
祖父の興した大会社における遺産分配について話し合うため、親戚三家が集まることになった正月に事件は起こった。

死ぬはずのない祖父がなぜか死んでしまう日を繰り返すこととなった主人公。
久太郎は祖父の死を防ぐため1人で奮闘するが、どうしてもそれを止めることが出来ない――
といったあらすじです。


ミステリーと時間跳躍能力という、あまり親和性の高くない2つの題材を存分に使いこなしている作品でした。
SFの設定――この場合、「能力」と「その制約」――をきちんと最初に提示し、その枠内にミステリーの要素を収めた、という感じを受けました。


設定を使いこなした、という点でも評価が高いのですが、それに加えて伏線の回収が見事だったように思えます。
いろんなところに散りばめられた小道具や会話が、最後の最後にピタリと当てはまっていく感動を味わったと感じてます。
また、1つの小道具にも二重三重の伏線が張り巡らされており、途中で回収し終わったと思った伏線が最後にもう1つの意味を持つこともありました。
この構成力は正直、本当に凄いと思います。


また作者の西澤さんの文章力もさることながら、主人公の若年寄的な(笑)性格がかなり面白く、同じ1日を9回も繰り返しているというのに展開に飽きが来ませんでした。
キューちゃんいいキャラしてるなあ、本当に。


(続きを読む)からネタバレありでちょこっと語っています。未読の方はご注意を。
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